復活 折り畳みミニベロ KHS F20-S(その13)

 長い時間をかけてメンテナンスしたKHS F20-S。
その後についても触れておきます。
もちろん「各パーツ」は、調子よく動いています。

トランスミッションに関して。
実はリアディレイラーとスプロケットの組み合わせがメーカー的にNGなんですが、そんなことを感じさせないくらいキビキビ変速してくれます。
これはチェーンを新品に替えたからでしょう。またディレイラーハンガーの歪みを修正したのも、効いているはずです。調整も何の苦もなく素直に決まりました。

各ケーブルを新しいものに取り換えたら、「引き」も軽くなりました。
ブレーキ。
これも最初、レバーと本体の互換性がなく、全く効かない状態でした。
レバーを交換したことで、安全に止まれる車両になりました。
シマノ製キャリパーブレーキとブレーキレバーの互換性に関して、ちょっとややこしいので、軽く解説しておきます。
現行のシマノ製キャリパーブレーキには2つの規格が存在します。
「SUPER SLR」と「NEW SUPER SLR」です。「ニュー」と冠している方が当然後出です。
今回のブレーキ一式は、レバーがNEW SUPER SLRでブレーキ本体はSUPER SLRです。
2つの規格が混在していますが、この組み合わせの場合、若干制動力が弱まるものの、使用できます。つまり互換性があります。
しかし、この組み合わせが逆だと、互換性は有りません。
もちろん本体とレバーで、Vブレーキとキャリパーブレーキを混在させてはいけません。
表を作りました。
シマノ製のパーツで組まれた、ちょい古のロードバイク等を弄る時、これは頭の隅に入れておきましょう。

折りたたみ機能について。
これは「良し悪し」の枠で語るのは意味がないですね。その機能が「要・不要」か「好きか嫌い」かです。
僕には不要です。
また、KHSジャパンのホームページに情報があるのですが、過去にF-20Sの折り畳みの「ヒンジ」が破損する事故があったそうです。自転車が折り畳める仕掛けの面白さや利便性は、理解できないことはないですが、リスクが伴うことも知っておきたいですね。

さて、肝心のF20-Sの「自転車」としての性能です。
最初のテスト走行から感じていたんですが、乗り心地が悪いです。
僕はクロモリのロードバイク、アルミのフルリジットの26インチMTBを所有してますが、その2台と比較して、一番悪いです。
なぜかというと、車輪が小さいからです。それに尽きます。
このくらいの段差でも、「硬い」嫌な衝撃が手に伝わります。
走行中何度も出くわすと、うんざりします。
車輪は小さくなればなるほど、段差を超える性能は低くなります。
段差の「超えづらさ」は衝撃となって乗り手に返ってきます。ちょっとした段差を超えるのに一々身構えてしまう感じです。
ホイールベースが短いと車両の傾斜角が大きくなる。
(この絵は判りやすくするため誇張してます)
加えてF20-Sは、通常のクロスバイクなどの車両よりホイールベースが短いので、段差を乗り越える度、車両がより大きく上下に揺れることになります。
ソフトテイルユニットの効果をなくして、荒れた路面を走るとかなり辛いです。
小径車全般、タイヤのエアボリュームが少ないから、タイヤが振動を減衰しづらくなります。700c程度のホイールなら気にならない、細かな凸凹の突き上げも拾ってしまいます。
もう一つ、リムが小さくスポークも短いので、ホイールはすごく硬いはずです。
微量とはいえホイール自体のクッション性も期待できないです。ホイールの剛性過多も原因の一つでしょう。
ソフトテイルユニットにグリスでできた「線」が見えます。
2センチ近く動いています。
KHSがソフトテイルユニットを採用したのも頷けます。実際ソフトテイルが「効いているな」と感じる場面があります。
なんだったら、フロントフォークもサスペンション付きが良いんじゃないでしょうか?

とはいっても、最初のテスト走行から比べると、乗り味はそれなりに改善しました。
最初のタイヤのアップ画像。
ひび割れたタイヤはもう寿命です。
これは古いタイヤを新品に替えたからです。タイヤは劣化すると柔軟性がなくなってしまいます。
もう少し太くできるかも。
取り外すときブレーキに引っかかるけど。
また、1.10インチから1.25インチにボリュームアップしたのも地味ですが影響しているでしょう。
もう一つ、サドルをコンフォート寄りのものに替えた効果もあるでしょう。

走行中の振動や衝撃の「角」が取れない不快さは、ミニベロ・小径車全般に共通する欠点です。ソフトテイルを付けてくれた辺り、F20はむしろよく練られたフレームだと思います。

さんざん貶してますが、良いこともありますよ。
先ず漕ぎ出しが軽いです。小回りも効きます。(縁石などの段差にさえ気を付ければ)市街を走るにはけっこう便利です。

ただ「小回りが効く」ということは反面「挙動が不安定」とも言えるわけです。
実際時速25キロ程度までなら、何も問題ないんですが、時速30キロを超える辺りから小径車特有の「危なっかしさ」が顔を出してきます。
ホイール径が小さい故、「ジャイロ効果」の働きが弱くなってしまうからです。
スピードが乗ってくると、急に舵が切れてフラフラする感覚が、なんか嫌なんですよね。
車輪が大きければ良いのかと言えば、そんなこともないんですが、20インチは自転車の車輪として、やっぱり小さすぎるんでしょう。
ミニベロって車高が低いから、一見重心が低くて走行が安定してそうでしょ。
実は逆です。小径車全般に言えることですが、ボトムブラケット(BB)の位置が高く、車体が左右に振れやすくなるからです。
これは「立漕ぎ」をしてみると、わかります。車体が左右に振れ過ぎて、出来ないか、出来ても非常に難しいです。
普通の自転車はホイールの車軸に対して、BBは低い位置にあります。これが自転車の重心を低くして、中高速の巡航を安定させます。
自然にスピードが出る、長い下り坂は注意が必要。
まぁブレーキをかけてゆっくり下ればいいだけですけど。
もっとも、ミニベロってちょっと脚を止めると、すぐにスピードが垂れるので、高速走行自体難しいんですけどね。でも道は平坦や登りだけではありません。長い下り坂で路面が荒れていたりしたら、ミニベロは他の車種より、ちょっとした「緊張感」を強いられます。(もちろん直ちに「危険」というわけではないですが)

まだ書き足りないんですが、ミニベロファンに怒られそうなので、このぐらいにします。(笑)

これらミニベロの欠点をKHSさんは十分理解していて、なんとか欠点を補おうとしているのが分かります。ソフテイルユニットを採用したのも、その一例です。
フロントフォークも大きくベントして、「トレール量」を稼ごうとしているのが読み取れます。これは車両の操舵性に大きく関わります。
僕は「ジオメトリー」に詳しいわけではないので、それくらいしかわかりませんが、見えづらいところで、色々な工夫がありそうです。
「ミニベロ」というカテゴリーの中では、比較的乗りやすい車両なのかもしれません。

グリップは交換しました。
もう正直に言っちゃいますが、F20-S、僕は走っていて楽しいとは感じないです。「爽快感」がないというか・・・。
ただ、愛好者は、こうしたミニベロの欠点は百も承知で乗っているわけです。
乗りづらさや難しいところを、乗りこなす技術を磨いたり、カスタマイズでカバーすることが、楽しいんですよね。「趣味」とはそういうものです。
もし小径車の購入を検討しているなら、「サスペンションの有無」、「タイヤ幅の上限」、「ホイールベースの長さ」この辺りを比較して選ぶと良いかもしれませんね。
F20-S、「楽しくない」とはいったものの、もう少し付き合ってみようと思います。
もしかしたら、そのうち「ハマる」かもしれません。わからんけど。(笑)

ではまた。

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