自転車 ステム交換 トルク管理と振動吸収の話

トルクレンチセットを購入しました。メーカーは「PWT」という台湾の企業です。

トルクの測定範囲は1Nmから25Nm。自転車整備に使うにはちょうど良さそうです。価格も手頃です。

最近の自転車整備ではトルク管理が半ば常識化しています。

僕はといえば、昔ながらの「感」でボルトを締めていました。今までそれで問題なかったですから・・・。

購入を決めたきっかけはこれです。ステムのコラムを締めるボルトをねじ切ってしまいました。

このステムは2年前に買ったんですが、もう壊してしまいました。比較的安価なものですが、もったいないですね。

「壊した」と言うべきか「壊れた」とするのか、どっちなのか微妙なところです。馬鹿力で締めたつもりはなかったんですが。

メスネジが潰れてしまっています。これはもう廃棄するほかありません。

自転車はシンプルで部品数の少ない乗り物です。ネジ1本だめになっただけで、走行できない状況になることは結構あります。

なんかモヤモヤしますが、これからは機材をもっと大事に使うために、トルク管理をやっていこうと思います。

もう少し詳細をお見せします。

本体は「プリセット型」と呼ばれるタイプ。ダイヤルを回してトルクを決めたら、「カチッ」という音と軽いショックが起きるまで締める、よくあるヤツです。

付属のビットソケットは差込角1/4inc(6.35mm)で、ヘックスとトルクスが用意されています。

通常の自転車整備用として使うならソケットを買い足す必要はなさそうです。エクステンションバーも付いています。

じゃあ交換作業を始めます。不用意にステムを外すとフォークが抜けてしまう場合があるので、紐でフレームとフォークを結んでおきます。

ステムを外すにはトップキャップ、ハンドルクランプ、ステムクランプの順で外すと良いでしょう。

新ステムです。「ワンバイエス」、「ブレンドステム」84アングルです。長さ100mm、ハンドルクランプ経は31,8mmです。

重さは実測106gでした。7000系のアルミ合金で結構軽量です。

コラムと・・・。

ハンドルクランプ部にはそれぞれ指定トルクが記載されています。

新旧ステムを比較します。新ステムのほうが5mm短いです。

コラムハイトは新ステムが5mm高いです。コラムスペーサーを調整しないといけません。

また角度も2°高くなりました。

ハンドル位置が変わってしまうのは避けられません。ハンドルが近くそして高く感じることになりそうです。ここはハンドル取り付け角度を変えて、できるだけ以前と違和感のないようにしたいと思います。

もう一つ問題があって、僕のハンドルのクランプ経は26mmでチリが合っていません。

そこで、「ハンドルシム」も合わせて購入しました。「ディズナ」の「カーボンハンドルシム」です。

メーカーの謳い文句は、このシム、カーボン素材の効果でアルミハンドルでもカーボンハンドルに近い振動吸収をしてくれるそうです。これは後ほど実際に走って感想を報告します。


新ステムを組み付けます。

ハンドルにシムを取り付けたいのですが、ここで問題発覚です。

シムは脱落防止のシリコン製のバンドでハンドルに留めるのですが、ブレーキレバーが邪魔で、バンドをハンドルの中心まで通せません。

仕方ないので両面テープを使います。

うまく仮止めできました。

コラムに薄くグリスを塗っておきます。

ステムのボルトにもグリス。

仮組みして、トルクレンチの出番です。指定トルクに合わせて、各ボルトを交互に少しづつ回し、出来るだけ均等に締め付けます。

これで交換作業は終了です。


ハンドル角度を下げすぎたかも。

ハンドル位置は交換前より、高く、体に近くなっています。

そこでハンドルの角度を下に向けて、前傾姿勢を維持しやすくしました。

走ってきましたが、違和感は否めないですね。ただしばらく乗り続ければ、体が慣れて行く気がします。

これは様子見ですね。


さて、初めてトルクレンチを使った感想ですが・・・。正直「めんどくさい」ですね。(笑)

昔の話ですが、トルクレンチなどなくても、みんな普通に自転車を整備していましたよ。

とはいえ最近はそこそこのお値段で、軽量なパーツが手に入ります。ワンバイエスのステムは5千円台でした。

そんなパーツはどうしても取り扱いに繊細さが求められます。

手軽に軽量パーツが試せる良い時代になったんですから、少々の手間は惜しまず、これからはトルク管理を習慣にします。

ロングライドなら真価を発揮するかも。

締めくくりに、「カーボンハンドルシム」の感想を記しておきます。

言われてみれば、手に伝わる振動が少しマイルドになったような気はしました。

ただ、もし、誰かにこっそり、このシムを取り付けられて、知らずに走りに行っても多分気づかないでしょう。(笑)その程度の違いです。

結局、自転車の部品で一番振動を吸ってくれるのは、タイヤとチューブです。

ハンドルの振動で手が痺れたりするなら、今履いているタイヤの空気圧を少し落としてやれば改善します。太いタイヤに交換するのも好いです。

なにより思ったのは、アルミとカーボンの振動吸収具合の差がこの程度なら、高いお金を払ってカーボンハンドルを買う意味って・・・。(笑)

ではまた。

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