シマノ11速チェーンの寿命は短い?

    SHIMANO ULTEGRA 6800
リア11速です。
僕の愛車surly pacerです。 
今年の3月にコンポーネントを全交換しています。
チェーンチェッカー SHIMANO TL-CN42
この日はチェーンの清掃と注油をするつもりで、その前にチェーンチェッカーでチェーンの摩耗具合を確認しました。
チェックする際、僕はチェーンを、前アウター。
後ローにして、出来るだけチェーンを引っ張っておきます。
(チェッカーにはその様な指示は、特にないです。)
二股に分かれている方の突起を差し込みます。
もう一方の嘴のような突起をチェーンの上に静かに乗せます。
突起がチェーンの中に埋没しています。このチェーンは寿命が尽きていることになります。

もう一度言いますが、pacerは半年前の3月にコンポを一新しました。
その時、もちろんチェーンも11速チェーンの新品に交換しています。(ULTEGRAグレードです)
点検時での走行距離は約1700キロ

・・・いくら何でも短命過ぎません?
5000キロとは言いませんが、3000キロぐらいはもってほしかったなぁ。
この寿命の短さは、僕の走り方や乗り方にも原因はあるでしょう。
でもちょっと納得できないですね。だって、旧コンポは9速チェーンを使ってましたが、3000キロぐらいはもってくれたと思います。

今現在、このチェーンで走行すると、若干変速のレスポンスが落ちたような気はしますが、さしたる違和感は感じません。
しかしこのまま放置しておくと、変速性能の低下、チェーン落ちの頻発、スプロケやチェーンリングの急激な摩耗等、良くないことが起きるのは判っています。
特にチェーンリングは高価なパーツです。大事に使いたいです。

仕方ありません。チェーン交換します。

さて、チェーンはどれにしましょう。
現行のシマノ11速チェーンは、大きく分けて3種類のグレード    DuraAce ULTEGRA 105に分かれます。
これはチェーンの構成パーツの「フッ素コート」が、グレードが上がるほど多くなります。
ハイエンドのDuraAceに至っては、ピンが中空構造になっていて、ちょっぴり軽量です。
SHIMANO CN-HG601-11 105グレードです。
アルテだからと言ってアルテグラグレードのチェーンでなくとも、11速なら互換性があります。
「ネタ」として、Duraチェーンも良いかと思ってた時がありました。
が、これほど短命なチェーンなら、迷わず一番廉価なチェーンを選ぶことにします

交換作業を始めます。
チェーンは前をインナー。
後はハイにセット。
プーリーを前に押すとチェーンが緩むので、ドライバー等に引っ掛けチェーンを落とします。
この状態にしておけば、チェーンにテンションが掛かってないので、チェーンを切った時、バチンとチェーンが跳ねたりしません。
チェーンはKMC製の「クイックリンク」で繋げています。
専用工具で外します。
切ってしまえば何かで挟んで引っ張れば、外れます。
外したのは2回目です。次で交換かな。
クイックリンクの状態をチェックしておきましょう。これは複数回利用できるタイプです。
新品と比較しましたが、多少の摩耗はありますが異常はない様です。このクイックリンクは使い回します。
コマ数を数えてチェーンカッターでカット。
新チェーンは、リアディレーラーのセッティングに問題などなければ、旧チェーンと同じコマ数を切ってやれば良いですね。
僕は「クイックリンク」を使って繋げます。この時は両端同士を「インナープレート」になるように、チェーンを切ります。
上が古チェーン。下が新チェーン。
新旧チェーンの長さを比較しましょう。一方の端を揃えて、2本のチェーンを沿わせながら伸ばすと・・・。
上が古チェーン。下が新チェーン。
もう一方の端を見れば、古いチェーンが伸びているのが判ります。
チェーンチェッカーの精度が「いい加減」なのかと、ちょっと疑っていたんですが、精度はでてますね。
この状態なら確かに要交換です。
チェーンリングやスプロケも掃除しておきます。
チェーンを外すと普段掃除し辛いディレーラー周りが、楽に掃除できます。
チェーン交換はプーリー清掃の絶好の機会です。
ここは3ミリの六角レンチで外せます。
髪の毛が絡みついてました。気持ち悪いです。
プーリーもですがケージもかなり汚れていますね。
プーリーは回転部がシールドベアリングになっています。
ケミカル洗浄は避けて、乾拭き程度にしておきます。
話が前後しますが、シマノ純正プーリーは、ガイドプーリーとテンションプーリー(上下)の区別があり、回転方向の指示もあったりします。
外す前に、「配置」と「向き」を確認しておいた方が無難です。
新チェーンを通しました。
ディレーラーの設定は、古チェーンを外した時と同じ設定です。
前はインナー。(ディレーラーをインナーに合わせておくということです。)
後も同じです。ハイ側に通します。(ディレーラーをハイに合わせておくということです。)
チェーンに掛かるテンションを出来るだけ小さくするためです。
その方がチェーンを繋げる時に楽です。
プーリーの通し方ですが、指差した所、間違えやすいです。ケージの内側を通します。
プーリーの通し方。別アングルで。
BIKE HAND YC-207
この工具は「チェーンフィキサー」とか「チェーンフッカー」等と呼ばれています。
チェーンの交換作業がとても楽になります。安価な工具なので、持っていて損はないですね。
11速チェーンは表裏の区別があります。刻印がある側が表側(外側)を向くように通します。
クイックリンクで繋げました。
変速の状態を確認。問題ないですね。
作業終了です。お疲れさまでした。
新チェーンに同条件(アウター・ロー)で、チェッカーを当ててみました。
これが新品チェーンの状態。あなたのチェーンも今すぐチェックだ(笑)。
他のチェーンと違って、11速チェーンは表裏の指定があったり、アウタープレートが独特な形をしています。
何となく繊細な印象を持っていましたが、その通りでした(笑)。

世間で、11速チェーンがどの程度普及しているか、僕には知る由もないです。
ただ、この短命さなら、自覚のないまま、寿命を迎えたチェーンで走っている方は、相当数いらっしゃると思います。

リア11速の自転車をお持ちの方は、まめにチェーンを点検したほうが良いですね。
また、これから11速の自転車を購入するとか、お持ちの自転車を11速化する等、検討されている方は、「チェーンの寿命」にも注目しましょう。

自転車のランニングコストに、大きく差が広がりますから。

ではまた。

追記

さて、チェーンが新品になって何が変わるのか、触れておきたいと思います。

まず駆動音が静かになります。
音がしなくなるということは、それだけ抵抗が減ったと考えて良いでしょう。

また、変速のレスポンスが向上します
若干ですが変速が素早く決まりますね。

それと、うまく説明できないですが、走りが「シャキ」っとします
古いチェーンの場合、加速しようとした時、ちょっと「間」が空いて、加速が始まるような感覚があります。
これが新しいチェーンに替わると、この「間」が縮まる、あるいは「同時」に加速していく感覚に変わります。
これは実に気持ちが良いです。

チェーンは徐々に消耗していきます。なので、性能の劣化になかなか気付き難いものです。
取り換えて、改めて気付くんですよね。

そうそう、チェーンのグレードが「ULTEGRA」から「105」にグレードダウンしたのでした。
何か変化があったのかと言うと、何も感じませんでした。(笑)
昔、自転車雑誌の記事かなんかを真に受けて、DURA-ACEグレードのチェーンにわざわざ交換したことがありました。
勿論、何の変化も体感できませんでした。そんなもんですよ。(笑)(耐久性の違いはあるかも)

そんな訳で、僕はチェーンのグレードに全く拘りがないです。
チェーンはグレードの上下に関係なく、まめな注油と、まめな交換が、自転車の性能の維持と向上に繋がるんだなと、再確認しました。

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