スズキ機工株式会社のベルハンマー製品を購入しました。
「LSベルハンマー」
汎用機械オイルです。
スプレータイプが一般的かもしれませんが、僕はあえてリキッドタイプを選びました。
youtubeでこのオイルのデモンストレーション動画を見ることができます。
その潤滑性能は確かに高そうです。
「
ベルハンマーフレッシュ」
チェーンクリーナーです。
シールチェーンには使えないことと、パッケージの写真から自転車用のクリーナーであことがわかります。
公式ホームページにも、プロ競輪選手の要望から開発されたクリーナーと謳っています。
競輪選手は自腹を切って機材を調達し、整備も自分で行い、日々勝負に挑んでいます。
そんな選手たちの機材整備方法は、僕たち一般のサイクリストにとって参考になることは多々あると思います。
今回は2つのベルハンマー製品を実際いに使ってみて、その性能はどんなものか確かめて行きます。
まず、「ベルハンマーフレッシュ」です。
比較できるものがあると良いかと思い、フィニッシュラインの「
シトラス バイク チェーンディグリーザー」
も用意し、比較します。
寿命がきたチェーンを半分にして、それぞれ洗浄します。
フィニッシュラインです。液を注ぎ・・・。
刷毛で軽くこすります。
その後水で洗浄して、液をしっかり落とします。
ボロ布で水気を拭き取ります。
次、「ベルハンマーフレッシュ」です。
こっちも刷毛でこすります。
ベルハンマーの方は水洗は必要ありません。拭き取って終わりです。液体は数分で揮発してしまいました。遅乾性のパーツクリーナーみたいですね。
両者表面はとてもきれいになりました。これからチェーンを切って、コマ同士が重なる部分や、ローラーの汚れの落ち具合を見ます。
ベルハンマーです。
フィニッシュラインです。
差はほぼないですね。そして両者とも完全に脱脂されています。
強いて言えば、若干フィニッシュラインのほうが、より汚れが落ちている印象が有りました。
しかしベルハンマーフレッシュは水洗なしで、これだけ洗浄してくれるのですから、十分優秀でしょう。
洗浄直後オイルアップすればまず問題有りませんが、チェーンに水を掛けるのは、僕はちょっと躊躇ってしまいます。最近はフィニッシュラインでのチェーン洗浄は避けていました。まめに乾拭きするぐらいでした。
ベルハンマーフレッシュは2度洗いするか液をもっと増やしてやれば、完璧に近く仕上がりそうです。
次は「LSベルハンマー」をチェーンに塗布してみます。これは同ブランドのスタンダードなモデルです。
「超極圧潤滑剤」と銘打っていて、高性能な潤滑剤ではあるんでしょうが、そもそも人力で走る自転車のチェーンやハブ等のベアリングが、「極圧状態」になるはずが有りません。
これは他のチェーンルブを比較してもそうですが、塗布直後で潤滑性能の違いを感じ取るのはまず無理です。潤滑剤を色々試して来ましたが、僕には違いが分かりません。
潤滑性能に大した違いがないとすれば、注目すべきは効果の「持続性」です。
ベルハンマーの特徴として、塗布した後の金属を平滑にする働きがあるそうです。
仮に油脂が切れた状態でも、ある程度潤滑性能を保ち続け、結果金属同士の摩耗を防いでくれます。
つまりLSベルハンマーを使用することで、長期間潤滑し、チェーンのみならず、スプロケット、チェーンホイールの寿命も伸びそうです。
この辺りに試してみる価値があると判断しました。
チェーンは新品をおろします。(チェーン交換のタイミングだっただけで、特に意味はないです)
LSベルハンマーを早く馴染ませたいので、ベルハンマーフレッシュでチェーンに塗布されているオイルを洗浄します。
さっきと同じ要領でチェーンを拭いています。ただ今度はまだチェーン油が残っています。
まぁこのオイルも悪いものではないですから、洗浄は一回にしておきました。
LSベルハンマーを指に一滴垂らしてみました。
瓶の中の液体を見るとかなり緩そうに感じましたが、それなりに粘度は有るようです。
チェーンのローラーに一滴づつ、全周にわたって注しました。
塗布直後のチェーンです。
写真にはうまく写りませんでしたが、サッと浸透する感じではなく、少し間を置いてチェーンの内部に入っていきました。ウェットタイプのチェーンルブに似てるかな。
ベルハンマーをチェーンの側面にも馴染ませます。
暫くするとベルハンマーがチェーン全体に行き渡りました。
さてベルハンマーをチェーンルブ代わりに使う場合、注意を払わなくてはならないことがあります。
それはベルハンマーのつけすぎに気をつけることです。
オイルをチェーンに注すには、スプレー式だとかけ過ぎてしまいがちです。リキッドタイプのほうが量を調整しやすいです。
ある時、オートバイ系のユーチューブを見たのですが、オートバイのチェーンにLSベルハンマーを塗布して走行し、結果オイルが飛び散り、ディスクブレーキのローターやタイヤに付着して、制動が効かなくなり、スリップしたりしていました。
あれはベルハンマーのかけ過ぎが原因です。
パーツクリーナーだけでは、付着してしまったベルハンマーを除去できません。ヤスリでやすってやる必要がありますし、ブレーキパッドやシューは最悪交換かもしれません。
オートバイと自転車を同等に捉えるのは間違いかもしれないです。それでも危ない目に会うのは絶対に嫌です。
今の状態はルブが多すぎです。ビビって普段よりしっかり拭きとりました。
チェーン全周にルブを塗布するのは、自転車屋さんに言わせると「かけ過ぎ」なんだそうです。2/3周ぐらいで良いそうです。まぁついつい一周しちゃうんですが。(笑)
かなり長い記事になりました。
しかし走行後の感想も著さないといけませんね。
それは長期使用後、追記したいと思います。
2023年12月17日追記
約100キロ走った直後のチェーンです。
この時、チェーンには気になる抵抗もなく、いい状態を保っていました。
汚れ具合もまだ気になるほどではなく、そこそこ綺麗だったので整備等はせず、そのままにしました。
約200キロ走りました。
チェーンの汚れは気になりますが、油脂切れによる抵抗などは感じません。
このまま走り続けても良いでしょうが、若干チェーンの駆動音が気になりだしました。
気分ですが、LSベルハンマーを追加塗布することにします。
清掃は簡単に済ませます。ボロ布で汚れを拭き取るだけです。
(最近思うんですが、チェーンはへたなケミカル洗浄より、まめに乾拭きするほうが長持ちするような気がします)
LSベルハンマーをローラーに一滴、全周に差し、馴染んだらまた乾拭きです。
ここまでLSベルハンマーを使ってみての感想は、ウェット系のルブによく似ていますね。
普通に良いルブだと思います。
2024.02.10追記
LSベルハンマー2回目の注油後、約300キロ走りました。
その間チェーンを全く整備していません。因みに全道程は舗装路を走行、雨天は走っていません。
どうやらオイルがチェーンに完全に馴染んだようで、チェーンの駆動音が静かで実に調子が良いです。
前回の注油前もそうでしたが、特に抵抗が増えた感覚はありません。これからベルハンマーを再注油しますが、したところで抵抗が減る感触はないでしょう。
つまり注油の必要はまだないと思います。まだ走っても大丈夫そうです。
オイルが黒くなること自体は別に悪いことではないそうです。とは言え、自転車乗りなら解ってもらえると思いますが、そろそろチェーンを掃除したいです。
気持ちの問題です。
LSベルハンマー、やっぱり良いですね。チェーンにしっかり馴染めば300キロぐらいは
潤滑性能を維持してくれるようです。
僕の経験上の話ですが、高耐久をアピールするチェーンルブでも、実際使ってみると200キロぐらいが関の山で、その辺りから徐々に抵抗が増えていきます。(そうじゃないルブもあるとは思いますが)
LSベルハンマー、質のよいオイルであることは確かです。チェーンだけでなく、自転車の各可動部分に注してやっても良いですね。
ただし、チェーンを拭いてみると、そこそこの金属粉が布に付着しています。
過信するのは良くないですね。なんだったらもう少し早めにチェーンのメンテをした方が良かったかも。
さて、いくら良質のケミカルでも、あまりに高額では導入に躊躇してしまいます。
2製品の金額は・・・。
LSベルハンマー80ml ¥1,425
ベルハンマーフレッシュ1L ¥2,860
「安い」とは言えませんが、まぁ妥当な範囲かなという価格ですかねぇ。
(自転車用ケミカルって異常に高額なものがありますよね。あれは理解不能です。)
ケミカル関連は、何というか「自己満足」な部分が大きく占めると思います。気分の問題です。(笑)
よほど酷い汚れなら別ですが、ケミカル洗浄したところで、何が変わるというわけではないです。見た目は綺麗になりますが。
チェーンルブに関しては、「何を注すか」より「何時注すか」が重要です。
「実」を取るなら、手間が掛からず、長く性能を保ってくれる、かつ低価格なケミカルが最良です。
こういう価値観で評価するなら、ベルハンマーの2製品はまずまず合格かなと思います。
2024.1019追記
2500キロ以上は走りました。
チェーンツールでチェーンの摩耗状態を計ることにします。
この状態は寿命ではありません。まだ使えることは使えます。
ただ、新品の時に比べると、やや変速のレスポンスが落ちてきたようです。
ここらでチェーン交換をしてもバチは当たらないでしょう。
それにしても驚いたのは、チェーンの寿命がかなり延びたことです。
このチェーンは、シマノ11速のHG601系のチェーンで、LG-500チェーンが販売される以前は、最も廉価なチェーンでした。
今までの僕の経験上、601チェーンは、まめに整備をしても2000キロに達する前に寿命が来てしまいます。
このチェーンは頻繁に整備をしていたわけではありません。
走行距離が200キロに達する辺りで、ベルハンマーを注油していました。
掃除も普段は乾拭きだけで、1000キロごとに「ベルハンマーフレッシュ」で洗浄しました。
チェーンの一部を切り取って観察します。
2500キロ走っているのに、外プレートと内プレートが重なる「リンク部」の摩耗具合が、明らかに少ないです。
ベルハンマー、下手な自転車用チェーンルブよりよっぽど高性能ですね。
約1年前から使い始めて、まだこれだけ残っています。これはなかなかの低コストです。
良い潤滑剤に出会いました。これはリピート買いしたいですね。
ではまた。
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