自転車 シマノ製ハブFH-6800の整備

自転車の車軸、「ハブ」のメンテナンスをやります。
このハブはシマノ製のリアハブFH-6800、アルテグラグレードのロードバイク用リアハブです。
ハブのシャフトを持ってホイールを回転すると、「ザラ、ザラ」とした抵抗を少し感じます。
シマノ製のハブは手で回すと、ザラっとした若干の抵抗を感じるのが仕様らしいです。もちろん走行時に体感できる様な抵抗ではありません。
これはシマノハブの性能が劣っているわけではなく、防塵防滴シールがしっかり機能しているからでしょう。丈夫なハブだとも言えます。
とは言え今の状態は、抵抗が以前より増えているような気がします。
ハブを分解して中の状態を見ることにします。FH-6800を分解するには5mm六角レンチが2本要ります。シマノ製のハブとしては複雑な構造になっています。
ダストキャップを外します。
六角レンチを左右のシャフトに差し込み、片方は保持し、正ネジ方向に緩めます。
順番に外していきます。

「玉押し」です。この時点でハブのシャフトは外れます。滑り落ちないよう注意。
ホイールをひっくり返して、シャフトをゆっくり抜きます。
不用意にシャフトを抜くと、ハブ内の小さなベアリングボールが飛び出してしまい、何処かに行ってしまい見つからない、なんてことが結構あります。
中のグリスは綺麗です。(それもそのはずで、一月前に分解しています)
あらかじめ補修パーツを取り寄せてあります。
新旧の「玉押し」を比較します。古い玉押しにはボールの擦れた跡が見て取れます。
ただ、この程度ならまだ使える気もします。どうでしょうね。
ベアリングボールを比較します。肉眼では新旧の違いは見つけられませんでした。
ボールレースの方はどうでしょう。
グリスをふき取ってみました。銀色の部分がボールレースですが、異常はないですね。
ちょっと悩みましたが、せっかくなので、シャフトと玉押しは交換することにします。
玉押し部にはグリスを盛り、シャフトにも塗り込んでおきます。
ボールレースにもグリス。
そこにリテーナーを埋め込みます。
シールを奥までしっかり嵌めます。
シャフトをゆっくり差し込みます。
シャフトが滑り落ちないようにしながら、ホイールをひっくり返し、玉押しを止まるまでねじ込んでいきます。きつく締め込まないよう、かつ「ガタ」が出ない所が理想です。
これは、ロックボルトと玉押しの「供回り」を防ぐものです。上部のワッシャーの向きに注意。上に飛び出るのが正解。
シャフト先端の切り欠きに合わせて嵌めます。
ロックボルトを回し入れます。
両端に六角レンチをいれ、片方を保持しながら、体重をかけて締めます。正ネジです。
さて、感触はどうかな。ホイールを回転させます。
多少は抵抗が減ったようです。交換の必要があったのかどうか、ちょっと微妙な気がしますが、まぁ良しとしましょう。
今回整備したFH-6800、調べてみると2013年から2017年に販売されていたそうです。
約10年前のハブの補修パーツが手に入るというのは、ありがたいなと思うんです。値段もまずまず妥当です。
シマノ製のハブって、なんだか野暮ったくて地味だし、軽くもなく、先にも触れたように若干の抵抗があるので、多くのロードバイク乗りには敬遠されている印象が僕にはあります。
でも、丈夫で整備もし易いし、補修パーツの流通も充実して、そこそこのお値段で買える良品です。
願わくば少スポークに対応したハブを製造してくれないでしょうかね。
やっぱり売れないかなぁ。(笑)

ではまた。

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