ロードバイクで楽に30km/h巡行する方法

「初心者の壁」と言われたりする30km/h巡行。
最初からできる人はまずいないでしょう。
出来たとしても、効率よく走れているかは疑問です。
無理をしてすぐ疲れてタレてしまうのは「巡行」とは呼べません。

今回は僕の経験を元に、無理せず普通に、時速30キロで走るためのコツ
紹介させていただきます。

必要な機材と道具

普通のロードバイク 
(しっかり整備されているなら)今お持ちのバイクで過不足はないはずです。
エントリーグレードで十分です。(クロスバイクでも可能です。)


ロードバイクだからって、ロード用のビンディングでなくても大丈夫。

ビンディングペダルとビンディングシューズ 

これは是非とも揃えていただきたいです。

普通のペダルでも30km/h巡行は可能ですが、ペダリングがとにかく楽になります。

また自分のペダリングの欠点が判りやすくなります

もちろん安価なもので結構ですし、タイプも問いません。


サイクルコンピューター 
速度を知るために必要ですが、スマホアプリでも代用出来ます
(僕はストラバを使ってます。)
ケイデンスセンサーだけ買って、アプリと同期して使うのもありですね。

エアゲージ付きのフロアポンプ
ゲージ付きがマストです。 
空気圧を管理して、自分にとって走りやすい「最適値」を探ります。

まずは理屈


例として

タイヤサイズ 700c 幅25c

ギヤ     前50丁 後ろ15丁 (ギヤ比3.333...倍)

ケイデンス  70rpm(クランクの1分間の回転数)

で走行した場合


バイクの速度は約30km/hになります。

計算式 タイヤ外周(km)×ギヤ比×ケイデンス×60


自分が普段よく使うギヤ比があるはずです。
そのギヤ比で30km/hの速度を保つには、どの程度ケイデンスが必要か計算します。
ケイデンスがあまりにも速過ぎる場合は(100rpm以上とか)、ギヤ比を重くして再計算します。
30km/hで走るための、正しいケイデンスやギヤ比があるわけではないです。
どのくらいの負荷を維持すれば、狙った速度を保てるのか感覚を掴むのが大事です。

人間はクランクを一定の速度で回転させることはできません
プロ選手でも無理です。
クランクの上死点、下死点付近でどうしても遅くなります
最悪一瞬詰まってしまうこともあります。
また上死点を通過した直後、クランクに最も力が乗る「美味しいゾーン」があります
脚全体の重みが加わり、勝手にクランクが回るからです。
つまり上死点でいかに勢いを殺さず、「美味しいゾーン」に突入するかが、楽に速度を維持する鍵になります。

スムースなペダリングを体得する

反対の足も同様にやってみます。
左右で回しやすさに違いがあるはず。

この「詰まり」を実感するため、片足だけでペダリングしましょう。

上死点、下死点で詰まってしまったりしませんか?

もしそうなら、自分の力をクランクにうまく伝えることが出来ていません

せっかく出したパワーをロスしてしまっています

ペダリングの習熟も必要ですが、サドル位置を見直すことで、淀みなく回せる場合があります

何度もサドルを上下前後に動かして、綺麗に回せる位置を探ります。

面倒ですが、これは後々自分の財産になります。頑張ってやりましょう。


また、脚に「力み」があるとうまく行きません。下半身が適度にリラックスするのも大事です。

上死点と下死点に注意

踵がちょっと下がってアンクリングしてますね。ペダリングは難しいです。
また自分ではクランクが真上を向いていると思ってたのに、実際は少し前に倒れてます。
自分の意識と、実際の身体の動きには齟齬あることがわかります。

よくレース中継で解説者が「○○選手踏めてますね。」なんて言う場面があります。
ペダルを「踏む」という表現は、(僕個人の意見ですが)誤解を生む表現です
上死点でペダルを下に踏んでは、力を掛ける方向を間違えています。
「前に押す」と表現した方が、どう考えても正しいです
また、クランクは「美味しいゾーン」ではほっといても勝手に回ります。踏む必要がありません。意識して踏むと、むしろ下死点で詰まってしまうでしょう。

蹴り上げる必要はないから、踵を上げる必要はないはず。
昔、「引き足を使え」とよく言われたものです。
これは、クランクが下死点に差し掛かったら、ペダルを後に蹴り上げる動作を指します。
しかし、今はほとんど聞かなくなりました。
実は、プロ選手でも、ほとんどの人が引き足を効率よく使えていないことが判ってきたからです。
下死点通過直後、反対の足はまさに「美味しいゾーン」に入っています
つまり、死点では余計なことは何もせず、反対足の上死点に集中した方が得策です。

脚に体重を乗せる

誰でも重いギアを頑張って漕いでいると、前腿が痛くなりますね。
これは、前腿の筋肉だけに頼ってペダリングしているからです。
これを回避しつつ重いギアを回し続けるには、自分の脚に体重を乗せて、その重みを利用します
これよく聞く話ですが、意味がさっぱり解りませんよね。(僕も最初さっぱりでした。)
僕なりの理解ですが、解説します
「プランク」
上半身を真っ直ぐ板状にすること。
「体幹を入れる」とも言う。
椅子に浅く腰掛け、上半身をプランク状態にして、前傾します
これはロードバイクの乗車姿勢を再現した格好です。

前傾すると足の裏に重みを感じませんか?

さらに脇を締め机などを掴み、軽く引き寄せると、さらに重みを感じます

これが「脚に体重を乗せる」と言うことです。

前傾姿勢をより深くとれば、さらに体重が乗ります。


しかしこれは非常にキツイ姿勢です。最初は無理せず、少しずつ前傾姿勢に慣れましょう
徐々に慣れてくると、ハンドルが近く感じてきます。
これは良い兆候です。ハンドル位置をより低く、遠くすれば、よりプランクします


太もも筋肉の負担を分散する


前腿の筋肉だけでなく、腿裏とお尻の筋肉を使って、筋肉の負担を分散させます
これも雑誌や教本によくありますが、どうすれば良いのでしょう。

浅いスクワットをしてみましょう。これも乗車姿勢を模しています。
まず膝を爪先より前に出し、プランクしながら前傾します
前腿にストレスを感じます
そのままお尻を触ってみると、少し硬くなっているのが判ります
尻の筋肉は意識できないだけで、それなりに使っているんです
今度はお尻を後ろに引いて、膝が爪先から出ないようにします
嫌でも前傾姿勢になりますね。半ば強制的にプランクしています
そして腿裏にストレスを感じるはずです。
お尻を触るとさっきよりさらに硬くなっています。
すぐに前腿が疲れてしまう方は、サドルが前過ぎの可能性があります
サドルを後退させるか、サドルに深く腰掛けるようにすれば、筋肉を分散させて使うことが出来ます。


機材のコンディションを保つ

少しでも楽に走るために、メンテナンスはしましょう。

特にタイヤの空気圧を管理することが大切です。

最適な空気圧は人それぞれなので、色々変えながら走ってみましょう。

そのうちに自分の中で「最適な空気圧」が見えてきます。


タイヤの寿命が来たら、より軽いタイヤとチューブに交換しましょう。

違いが体感出来て楽しいですし、交換前より楽に速度を維持できます


少しハードルが高いですが、ホイールのスポークテンションを管理すると良いですね。

長く乗っていると必ずテンションが垂れてきます。

そうなると加速の悪いホイールになってしまいます。

最後に

以上が、大変僭越ではありますが、僕の「30km/hで巡行するコツ」です。

偉そうなことを色々書きましたが、僕もマダマダ未熟者です。


写真を撮った時に感じたのですが、僕は上死点と下死点を正確に把握できていませんでした

上死点ではアンクリング気味だったし

これは良い発見になりました。ペダリングはやっぱり難しい。


こうした速く走るための「理論」や「実践法」はたくさん存在します。

この記事に異論を持つ方もいらっしゃるでしょう。

こういうものは、「間違っているか正しいか」、ではなく「自分に合うか合わないか」、が大事です。


色々試すしかないんです。僕もそうでした。


ではまた。



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