ホイールの結線(試行錯誤)

一般的なホイールは、あるスポークとスポークが交差しています。
組方により4クロス、3クロス、2クロス と呼ばれています。
「結線」と言うのは、その交差したスポーク同士を針金やタコ糸あるいは強度の高い繊維などで「結ぶ」ことです。
ホイールのハブに回転する力が加われば、ハブとリムを繋げているスポークは当然変形しているはずです。そしてその変形は折角の推進力を逃がしてしまっていることになります。
実際は僅かなことかもしれませんが、理屈としては納得できます。
確かにスポークのテンションが下がったホイールは、乗り心地はまあ良いのですが、なかなか加速してくれない、もどかしいものを感じたことがあります。
じゃあ、ガンガンテンションを上げれば解決かと言うと、そうはいきません。
許容できる張力を超えてしまえば、ホイールが壊れてしまいます。
また、フリーボディの付いたリアホイールは構造上左側(反ドライブ側)のスポークテンションは低くならざるを得ません。
これ以上張れないスポークのテンションをさらに(疑似的にでも)上げる方法が「結線」です。
前置きが長くなりましたが、「結線」に挑戦してみようと思います。今回はあくまで実験練習です。
僕の周りで正しい結線のやり方を知っている人はいません。
ぼくがネットで拾ってきた情報を咀嚼して、「これなら行けるんじゃないかな」というのが、以下の記事です。
また敢えて失敗例もお見せします。それはそれで、何かのヒントになってどなたかのお役に立てるかもしれません。
一応お断りしておきます。
用意するものです。
ステンレスの針金。ステンレスは錆びません。
ただステンレスには問題点もあります。
太さ0.55ミリを選びました。先に言ってしまうと、もう少し細いほうが見た目はスッキリするかもしれません。
ステンレス用ハンダです。
結んだ針金がほどけないようにハンダ付けをするためです。
結線に挑戦しようと思い立った時、一番疑問に感じていたのがハンダです。
一般的にハンダは銅、錫、真鍮等にはくっ付きますがステンレスにはつきません。
でも、ネットで結線のことを調べると、錆びないと言う理由からステンレスが一般的に使われているようです。
ホームセンターに行くと何のことはない、専用のハンダが普通に売っていました。
セットで付いてくるフラックスがステンレス用の特別な物の様です。
じゃあやってみましょう。
針金約10センチを半分に折ります。
交差した部分に通します。
後ろで一ひねりしています。
ぐるぐる巻きます。
巻きの目が粗いですね。もっとぎゅっと詰まった感じにしないと緩んできそうです。
それに針金はケチらずもっと長く切った方が巻きやすいですね。
針金で怪我をしてしまいました。
皮のグローブを用意した方がいいかもしれません。
再挑戦。
針金を約20センチにしました。
目が詰まるよう、ラジオペンチで引っ張ります。
後ろでひねって、引っ張りながら中心から外に向けて巻いていきます。
変わんないよ。(笑)
このやり方はダメですね。
筒状にぐるぐる巻きでも良いとは思いますが、出来るだけガッチリ結ぼうと思います。
今度は後ろで捻らず、そのまま表に返してます。
外側から中心に向けて巻いていて、後ろで捻って解れないようにしました。
綺麗に巻けましたよ。
まぐれかも知れない。(笑)
もう一度、外側から中心に向けて巻きます。
2か所作ってみました。まぐれじゃ無いようです。(笑)
いい塩梅に巻けた様なので、ハンダ付けします。
ハンダごては30wを使用しています。
フラックスを一滴たらします。
フラックスは強酸性の薬品です。本来はゴム手袋をして作業したほうが善いでしょう。また目を保護するゴーグル、マスクもあったほうが善いです。
次から用意しておきます。
ハンダ付けは素人です。これで合ってるのかな?
ハンダを流す所を熱します。ジュウッとフラックスが蒸発します。
 しばらく経ってハンダをあてると、うまく付いてくれました。
自画自賛ですが、初めてにしては良い出来じゃないですか?(笑)
裏側です。ハンダが回りきってないですね。
もう一度、ハンダ付け。
余った針がねを切り落とします。
残っているフラックスを洗い落とします。
スポークを握ってみます。
結線したスポークは他と比べると、確かに硬く張った状態になっています。
これで暫く様子を見ることにします。
何も問題がない様なら、本命の700cのホイールを結線しましょう。


随分長い記事になってしまいました。
お付き合いいただきありがとうございました。

コメント