ホイールのスポークテンションについて考える。(新ホイールのスポークテンション差はどうなる?)

10年来愛用していたホイールが壊れてしまい、新たに手組したホイールで考えてみましょう。

新ホイールは以下の構成です。

リム MAVIC Reflex 32h

ハブ SHIMANO 6800

スポーク HOSHI #14#15 バテット

ニップル DT アルミニップル 12mm

そして組み方は前後共にイタリアン組で

前 4本取り(2クロス)


後フリー側4本(2クロス)反フリー側6本(3クロス)、所謂ヨンロク組

を採用しました。

肝心のスポークテンションは、結局こんな感じで収まりました。

前輪 100kgf

後輪 フリー 110kgf 反フリー 45kgf

一般的には硬めのホイールに仕上がっているのかなと思います。

前輪に関してはしばらく乗ってみて、硬すぎて手が痺れたりするようならテンションを少し落とそうと思っていましたが、そんなことはなかったです。

問題は後輪です。

意図してこのテンションにしたわけではなく、こうなってしまったというのが実情です。

これでも反フリー側のスポークを握ってみると、ゆるゆるです。

もっと張りたかったのですが、110kgfあたりが、リムとニップル、スポークの張力の限界と思われ、また僕が計測に使用したPWTのスポークテンションメーターがどこまで正確に測れているのかも鑑みれば、この辺がおとしどころです。

 

さて、後輪をヨンロク組にしたのは左右のスポークテンション差を是正する働きがあると言われているからでした。

後輪左右のスポークテンション差は、(一致を100%とした場合)約41%

と、数字を出したところで、この差が大きいのか小さいのか手組初心者の僕にはよく分かりません。

「比較材料が欲しいなぁ」、と思っていたら、ブログに旧ホイールのテンションを記録してたのを思い出しました。

旧リアホイールの構成はイタリアン6本取り(3クロス)、#14スポーク、 真鍮ニップルです

ただ過去の記事を読み返すと、最初の頃は測り方を間違えたのか、テンション数値がかなり怪しいです。お恥ずかしい。w

 

それでも後輪スポークを張り替えた直後の記事

旧ホイール、フリー124kgf 反フリー41kgfは、比較的信頼できそうです。

その差は33%

どちらにしても、反フリー側は緩いのですが、テンション差はヨンロクの方が是正はされています。

ただし、旧ホイールをしっかりした精度で組んでいたらの話です。

何せこの時が初めてのホイール組です。

これだけでは信用できない。もう少し材料が欲しい。

この記事では、スポークのテンションを上げ直しています。

100kgf  45kgf 45%

今度は旧ホイールのほうが差が縮まりました。

この時はタイヤを嵌めた状態でニップルを増し締めしています。ホイールセンターが狂っている可能性がかなりあります。実際、リアブレーキが片効き状態になって調整し直しています。

 

経験上言えるのですが、スポークがしっかり張られた状態のホイールのセンターが1ミリ程度ずれても、左右のテンション差に影響します。前ホイールの左右同じテンションになかなかならないのはそのためだと思います。

ちゃんとセンターを計ればよかった。悔やまれます。

 

そして、どうもまだ判然としません。そもそもリムもハブも別物ですから、純粋に組み方の違いを比較したことにはなりません。

今度は新旧のハブのフランジの寸法を比較してみます。

拙いですが略図を描いてみました。(実測です。カタログ値と違うかもしれません)

リアホイールを後ろから見た断面図です。

反フリー側のフランジは7ミリも差があります。

 

何が言いたいかと言うと、新ホイールのハブSHIMANO6800の方が、若干ハイローフランジではあるものの、スポークの「おちょこ」がより激しくなっています。

テンションの是正に限れば、6800の方が不利な形をしているのは明らかです。

新ホイールの是正率 41%

旧ホイールの是正率 33%→45%

ハブ形状の有利、不利

まだ確信できないですが、「ヨンロク組」は、テンション是正に少し効果があるんじゃないでしょうか。

本当の「ヨンロク組」は反フリー側のスポーク交差部分を、針金とハンダで固定するそうです。さすがに僕にはハードルが高いです。

また、リム、スポーク、ハブについても、組み合わせの向き不向きがあるのかもしれません。

もっと僕が数学や物理学に明るければ、スパッと答えが出せるんでしょうね。


なぜ、これほどリアホイールのスポークテンション差が問題かと言うと、バイクのコンポーネントが11段化したことことで、ハブの全幅は変えず、フリー部分が約2ミリ幅が広くなったことに始まります。6800は11s対応ハブです。

 

なるほど確かに手組の後輪は、スポークテンションが左右で大きく変わります。

所謂「横剛性の損失」や「縦剛性過多」のホイールになってしまう等の悪影響が指摘されています。

 

でも、実際走ってみて、そんなこと感じたことがないんですよ。

以前のホイールに比べれば、タイヤのお陰もあるでしょう、良く走ります。

ホイールが撚れてブレーキに当たるようなこともありません。

振動も旧ホイールよりマイルドになったような気がします。

 

そもそも「剛性」の定義も、僕はよくわかりません。「しなり辛さ」と言うことなのでしょうか?

だとすれば、その人の体格(体重)、持っているパワーでしなり方が変わってきますよね。

剛性の有無は人によりけりじゃないでしょうか。 つまり今のホイールは僕にとって十分な剛性を持っている、ともいえるんでしょうか?

 

単に自分が「もっと良いホイール」に巡り合っていないからかもしれません。

高額なホイールを頑張って買えば解決するかもしれません。

でも、手段と目的があべこべになってしまったような、 気持ち悪さがあるんですよ。

 

前にも書きましたが、僕はこのホイール結構気に入っています。

でも、さらに良くなりそうなアイデアが見つかれば、試してみたいですね。失敗するかもしれないけどw。

長くなりました。今日はこの辺で失礼します。



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