自転車 サドル交換で痛みの解消は可能か?

ロードバイク用のサドルを買いました。
fi’zi:ku TEMPO ARGO R5
同バリエーションの中では最も廉価なものです。
このサドルはバリバリのレース仕様ではなく、どちらかといえばコンフォート寄りのものの様です。
これから、できるだけサドルのポジションを変えず、違和感を感じないように交換したいと思います。

まずは現状のサドルのポジションを測ります。
最初に言っておくと、安物で結構ですから、メンテナンススタンドはあった方が良いです。
サドルの上に板を渡し、その上に水準器を置いて水準を出しておきます。
殆どの座面は緩やかに湾曲して抉れています。
この深さも測っておきます。最も抉れているところで5ミリ程度。
シートポスト長を測ります。
サドルの前後位置をマーキングします。
サドル後端からメジャーを垂らし、その延長線がシートステイと交わるところに、養生テープを貼っておきました。
古いサドルを外しました。汚れてます。
クリーニングして、ネジ部とサドルレールが挟まるところにもグリスを塗ります。音鳴りの防止になります。
新サドルを取り付けます。仮組みです。
測っておいた位置に合わせたら、本締めします。
もちろん形状は微妙に違いますから、細かいところまでピッタリとは行きません。
新サドルは抉れがやや浅くかつ厚みが薄いです。結果的に数ミリ、シートポストを繰り出しています。

拙ブログを遡ってみると、7年ぶりにサドル交換したことになります。
実は最近、会陰部にしこりができて、しばしば痛むときがありました。古いのは体に馴染んではいるんですが、深刻な状態になる前に、思いきって変えてみました。
会陰部の圧迫を改善したいので、当然穴開きサドルを選びました。
またTEMPOは、座面の幅も一般的なロードバイク用サドルより1cm以上広いです。(150mmと160mmがあり前者をチョイスしました)
これはもっと広範囲にお尻全体を使って、圧迫を分散させるのが狙いです。

走ってきました。
まぁ位置をどれだけ正確に合わせても、サドル自体が変わったんですから、結局違和感はありありです。
それでも狙い通り、痛い部位にサドルが接触しません。
また以前のサドルより細かい振動を吸ってくれる様です。
これは座面が広くなった恩恵なのか、TEMPOの性能が優れているのか、両方なのか、まだ測りかねています。
しかし座面が幅広になったので、お尻と太ももの付け根にサドルが当たっているのがわかります。脚の動きを阻害するほどではないですが、ちょっと気になります。
そして、会陰部の痛みは改善したものの、今度は坐骨の辺りが圧迫されています。

そりゃそうですよね。(笑)
サドルに穴が空いていようがいまいが、お尻の何処かに接触してるんですから。

昔から言われることですが、ロードバイクのサドルは体重を預け「座る」ためのものではなく、腰の位置を決め、固定するためのものです。また「紙一枚程度サドルから腰を浮かす」などとも言われます。
これができれば、お尻の痛みはサドルの形状などに関わらず、改善できるはずです。
と、言うのは簡単ですが、そう易々とできれば苦労はしません。(笑)
まず体幹で上半身を支えながら、それなりに深い前傾姿勢を保ち(ハンドルに荷重するのは違います)、ある程度重いギヤ比でペダルを回し続ける必要があります。まぁトレーニングは必須です。
何時間でもこれができる方は、大したものだと思います。もちろん僕もできていません。

まだ微調整は続けています。
高さはほぼ決まりました。しかし収まりの良いところに腰を下ろすと、やや前に行き過ぎている感があるので、目盛ぎりぎりまで後退させました。
また、少し先端を左振りにしました。これはお尻が左右均等に乗っておらず、会陰部から右に少し圧迫感があるので、試しにやってみました。
とにかく当分の間、チョコチョコいじることになるでしょう。

ところで、シートポストが25mmぐらい後ろにセットバックしているのに、サドルもかなり後ろに取り付けていることになります。僕の場合こうしないと膝が痛くなるんです。
でも、変なセッティングに見えるでしょ。
これは、TEMPOが「ショートサドル」だからです。昔に比べ、サドルは全般的に前後が短くなっています。
今はショートサドルばかりになってしまい、こちらのほうがスタンダードになった感があります。
サドルが短くなると、バイクの性能が上がるのでしょうか?
相対的にほんのちょっと軽くはなりそうですが、性能には全く関係ありません。

これはレースを走る選手のポジションが変化してきたことに関係があります。
昔に比べてサドルを前に持ってくるようになってきたんですね。「前乗り」という言葉を見聞きしたことはないでしょうか。 
クランクを回す際、腰が前に移動すると、後ろのときより、股関節の屈曲がより浅くて済みます。
つまり脚の動きがよりコンパクトになり、結果クランクを速く回すことができます。実際、腰をサドルの前後に動かしてクランクを回してみると、体感できます。
高いケイデンスを維持することが、現代のレースでは重要な戦略なんです。
しかし、レースで使用する機材には厳格なルールがあります。
サドル位置にも「ここからここまで」という範囲があります。従来の長いサドルで「前乗りポジション」をセッティングすると、範囲から外れてしまい、ルールに抵触してしまう恐れがあります。
そこでショートサドルが登場して、あっという間に席巻したわけです。

先にも触れましたが、サドルを前に持ってくると、僕の場合膝が痛くなります。
レースに出るわけでもないし、ショートサドルは僕にはなんの意味もありません。とはいえ、ショートサドルを選んでも、ポジションさえ出せれば、問題もありません。

「サドル沼」なんて言葉があります。理想の一本が欲しいと思う気持ちは分かります。
僕はたくさんのサドルを試してきたわけではないですが、「自分に全く合わないサドル」はあっても、「自分に完全にピッタリ合うサドル」は、まず無いだろうと考えています。
ある程度走って、「大丈夫」と踏んだら、後はひたすらポジションの微調整を繰り返すだけです。その時気にするのは、お尻より腰や膝の痛みです。こっちの方が痛みだすとより深刻です。
お尻の痛みは、鍛錬である程度解消することは知っておきましょう。
プランクとスクワット、やろうっと。(笑)
ではまた。

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